性交ができないことによる不安や自信喪失で鬱になる人も
女性が思っている以上に男性はEDに対してコンプレックスを抱く
以来、不妊の原因が自分にあることから常に妻に対し負い目を感じ、また仕事が多忙を極めていたこともあり、しだいに妻との性交をさけるようになりました。たまに、性交の機会があってもほとんど勃起せず、挿入できないことから、五〇歳頃から全く性交しなくなりました。マスターベーションも全くしていません。なお、妻以外の女性との性交の経験はありません。妻は六二歳で健康で日頃優しいのですが、こと性生活については不満を持っており、時々このことで夫婦喧嘩をすることがあるようです。
妻は医師にきちんと治療を受けることをすすめていましたが、本人は仕事が忙しいのを理由に放置していました。今回来院され、検査した結果、陰茎の発育は正常ですが、精巣はやや萎縮していました。ホルモン検査で精巣の機能低下に伴う内分泌性EDであることがわかりました。そこで、早速男性ホルモン(商品名エナルモンデポ)の投与を開始しました。このホルモン補充療法で勃起力の改善がみられたのみでなく、体調も極めて良好となり、治療開始三カ月でほぼ正常の勃起とマスターベーションで射精が可能になり、精液量も増加してきました。
ところが、妻はなぜ早く治療を受けなかったのかと性交を拒否しており、性生活以外では仲が悪くありませんが、長年にわたる性生活に対するわだかまりがいまだ解けていません。A氏のように女性の性交拒否だけでなく、女性からのいろいろな心理的抑制がEDの原因となっている場合があるのです。糖尿病とED中高年層では糖尿病、高血圧など生活習慣病の増加に伴ってEDも増加してきます。
検査の結果、陰茎の発育、精巣の発育も良く、ホルモン測定でも異常はみられませんでした。NPTの計測でも極めて良好な勃起が認められ、典型的な心因性EDでした。バイアグラの使用で性交が可能となり、バイアグラの副作用もなく、何回かのバイアグラの使用で自信がつき、しだいにバイアグラを使用しなくても性交が可能なことが多くなっています。
この症例のように、多くは性知識が不足しており、性交の経験もなく初夜にどうしてよいかわからず、焦れば焦るほど勃起せず結局性交に失敗してしまうことがあります。神経質な人はこのことを深刻に思い、また妻に責められたりすることにより余計に自信がなくなり、次の性交も失敗するのではないかという予期不安を招き、次の性交もうまくいかず何度も失敗を繰り返してしまいます。
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